2013年08月24日
なぜタイ焼きは値上げしないのか/浪花家総本家は十勝小豆に拘り
2008-07-11 09:15:24

毎度お馴染みの日経ビジネスオンラインで注目させていただいている記事に、写真家でもあり作家でもある宮嶋康彦先生がアゲられている『地方再生物語』があります。今週の記事「なぜタイ焼は値上げしないのか?原料高騰どこ吹く風、強いニッポンの味」の中に懐かしい名前がございましてね。
それが東京・麻布十番にあるたい焼き屋・浪花家総本家さまでございます。詳しくは是非とも参考記事をお読みいただきたいのですけれど、浪花家さまは創業明治42年! それ以来、餡子はずうっと十勝産小豆をご利用されています。ワタシ、10年前お店に伺ったことがあるのですけれど、確かに店内に貼り出してありました。
「当店は十勝産小豆を使用しております」(←みたいな内容)

10年前の記述ですけれど、価格を除けば今でも同内容(!)で十分通用するんじゃないかと。もしかすると価格でさえも。
その時も誇らしい気持ちになったものですけれど、創業以来とは知りませんでしたね。当時確かに先代ご主人は蝶ネクタイにチョビ髭、コック帽で「およげ、たいやきくん」のおじさんそっくりで、感心いたしましたね。まぁ、先代がモデルなんですから、当然なんですが。

真ん中くらい横一直線に見えますでしょ。浪花家総本店さまとグリル満点星さまが。
この訪問の時、日曜午後1時TBS系「噂の東京マガジン:平成の常識 やって!TRY(とーらい)」に洋食調理のお手本としてよく登場されるグリル満点星さまにも寄っておりましてね。なんか、おしゃれな感じのビル(そこらじゅうがそうだったんですが)の地階だったか、半地階だったかに位置していたような記憶がございますけれど。
オムレツライス、当時でさえも1,800円!
ピアには明るく開放的と記述されておりましたけれど、午後3時頃曇り空だったせいか、明るくはないなぁ、と思ってました。それと意外とコンパクトなお店でしてね。オーダーしたオムレツライスの印象は全くありません。完全に麻布十番に気後れしてたんでしょうね。
さて、「なぜ、タイ焼は値上げをしないのか?」の記事中の記述なんですけれどね、4代目社長のお話。
「小麦粉に関していえば、タイ焼1個当たりの量はわずかなものです。うちは生地に卵や飴の類いも使いませんし、小豆は昨年、値上がりに備えて年間使用する量をいっぺんに購入したんですよ。600万円ほどかかりましたけどね」
小豆は一昨年から、一大産地の北海道十勝地方で豊作が続き値段が下がっていた。その機を逃さず“一気買い”に出たというわけだ。4代目の思惑どおり、小豆の価格は今年に入って再び値上がりに転じた。冷凍ギョーザ事件以降、中国産食品の輸入が一時期ストップしたために、国内産小豆の需要が高まったことが背景にある。
2度のオイルショックもバブル崩壊時もタイ焼が「酸欠になることはありませんでしたね」と4代目社長は振り返る。
生地も含めてオール十勝産で努力されている、たいやき専門店たいやき工房さまには、なんとか十勝代表としてしっかりやっていただきたいな、と。期待してまっせ。
ぴあMAPぐるめ1999東京・横浜
浪花家総本家(なにわやそうほんけ)
東京都港区麻布十番1-8-14 ℡ 03-3583-4975
定休日 火、第3水(祝日の場合、変更あり) 営業時間 11:00~19:00
参考記事:
»なぜタイ焼は値上げしないのか?原料高騰どこ吹く風、強いニッポンの味/地方再生物語
↑、会員登録(無料)されれば常時全文お読みになることができますし、記事がアガった当日であれば、登録されてなくてもお読みになれます。ちなみに地方再生物語は毎週木曜日ですね。
»帯広 たいやき工房における稀有な技。/*ニソロを見上げ、モシリに立つ*
»十勝の黒豆がリニューアルの決め手/115円の八楽に脱帽
メインは参考記事スライドショーより引用した、タイ焼きの魚拓画像。

毎度お馴染みの日経ビジネスオンラインで注目させていただいている記事に、写真家でもあり作家でもある宮嶋康彦先生がアゲられている『地方再生物語』があります。今週の記事「なぜタイ焼は値上げしないのか?原料高騰どこ吹く風、強いニッポンの味」の中に懐かしい名前がございましてね。
それが東京・麻布十番にあるたい焼き屋・浪花家総本家さまでございます。詳しくは是非とも参考記事をお読みいただきたいのですけれど、浪花家さまは創業明治42年! それ以来、餡子はずうっと十勝産小豆をご利用されています。ワタシ、10年前お店に伺ったことがあるのですけれど、確かに店内に貼り出してありました。
「当店は十勝産小豆を使用しております」(←みたいな内容)

10年前の記述ですけれど、価格を除けば今でも同内容(!)で十分通用するんじゃないかと。もしかすると価格でさえも。
その時も誇らしい気持ちになったものですけれど、創業以来とは知りませんでしたね。当時確かに先代ご主人は蝶ネクタイにチョビ髭、コック帽で「およげ、たいやきくん」のおじさんそっくりで、感心いたしましたね。まぁ、先代がモデルなんですから、当然なんですが。

真ん中くらい横一直線に見えますでしょ。浪花家総本店さまとグリル満点星さまが。
この訪問の時、日曜午後1時TBS系「噂の東京マガジン:平成の常識 やって!TRY(とーらい)」に洋食調理のお手本としてよく登場されるグリル満点星さまにも寄っておりましてね。なんか、おしゃれな感じのビル(そこらじゅうがそうだったんですが)の地階だったか、半地階だったかに位置していたような記憶がございますけれど。

オムレツライス、当時でさえも1,800円!
ピアには明るく開放的と記述されておりましたけれど、午後3時頃曇り空だったせいか、明るくはないなぁ、と思ってました。それと意外とコンパクトなお店でしてね。オーダーしたオムレツライスの印象は全くありません。完全に麻布十番に気後れしてたんでしょうね。
さて、「なぜ、タイ焼は値上げをしないのか?」の記事中の記述なんですけれどね、4代目社長のお話。
「小麦粉に関していえば、タイ焼1個当たりの量はわずかなものです。うちは生地に卵や飴の類いも使いませんし、小豆は昨年、値上がりに備えて年間使用する量をいっぺんに購入したんですよ。600万円ほどかかりましたけどね」
小豆は一昨年から、一大産地の北海道十勝地方で豊作が続き値段が下がっていた。その機を逃さず“一気買い”に出たというわけだ。4代目の思惑どおり、小豆の価格は今年に入って再び値上がりに転じた。冷凍ギョーザ事件以降、中国産食品の輸入が一時期ストップしたために、国内産小豆の需要が高まったことが背景にある。
2度のオイルショックもバブル崩壊時もタイ焼が「酸欠になることはありませんでしたね」と4代目社長は振り返る。
生地も含めてオール十勝産で努力されている、たいやき専門店たいやき工房さまには、なんとか十勝代表としてしっかりやっていただきたいな、と。期待してまっせ。
2013年08月18日
更別わがやに昭和の正しき食堂を見る
2008年7月10日(木) 09:01 ▼コメント(4)

食堂わがやさまにはホームページ があるのですけれど、よっぽどこの記事のほうが雰囲気つかんでいただけるかな、と。まぁ、それは「端萬記」の特徴ではあるのですけれど。それもこれも、ちゃんとカキコしなくちゃどうにもならないんですが。
もう先月のことなんですけれどね。ひょんなことから、更別村の中心部に用事ができてしまいまして。考えてみるとワタシ、更別村ってTIS(トカチ・インターナショナル・スピードウェイ)さまとさらべつカントリーパークさまとレストハウスかしわさまとどんぐり公園のパークゴルフ場くらいにしかご縁がなくて、市街地に足を踏み入れたことがなかったんです。
訪問予定は午後2時。その日、たまたまパンを買えていなかった(出勤途中で購入するのがワタシの流儀。だって、少ない昼休みは昼寝したいもの)ものですから、「なんだ、昼食を更別で楽しめばいいじゃん」と。早速仕事を放り投げて「更別 食堂」で検索。市街地でお店を探します。
で、どうやら豚丼が特徴的「らしい」わがやさまにたどり着いたわけですわ。同店のHPには
十勝地方の豚丼は、網焼・炭火焼と肉の焼き方に特色がありますが、「食堂わがや」の豚丼はチョット、スタイルが違います。豚丼行脚の方、是非ご賞味下さい。 この味も、もうひとつの豚丼だと考えて!
とあるのですよ。一体どんなのなんや。これは検証しなければ。
更別遊技場さま、だったんじゃないかと思うのですよ。表が妙に綺麗なのが逆に物哀しさを増しています。
なんせ初めての更別市街地でございますんで、全然イメーヂが掴めないわけなんですよ。マップを頼りにメインストリートらしきものに遭遇いたしまして、ね。「あー、突き当たり正面に神社があるんだなぁ」って。妙なところに感心いたしました。で、わがやさまを発見。「あ、ずいぶんいい場所にあるのね」

ホクレン系列のガソリンスタンドは狂ったようにセルフ化を進めておりますね。お陰で近場のフルサービススタンドの売上は向上しているらしい。ま、数年のことでしょうけれど。
それで、近くの公共駐車場なのかJAさらべつさまの駐車場にクルマを停めましてね。ついでに街中を眺めて、色々な想いにふけったワケでございますよ。帯広中心部ですら、「人が少ない、コンビニがない」とどこかの県の事情を知らない方に謗られてしまうのですけれど、更別村に限らず、十勝管内の町村はもっと酷いことになっているわけです。でも、そこで生き続けていかなければならない人は少なくない。それも事実。
北海道は高齢化の進展が日本国内でも、高いのですよね。十勝管内だって無縁ではない。年取るとどうしたって、活動は鈍くなる。外に出るのが億劫になり、コミュニケーションの機会が減るわけです。肉体的な衰えはどうしようもない。ですけど、ネットがあればその弊害が緩和されるのは間違いないでしょう。そこで、ネットコミュニケーションがもたらす地域再生(これは人間再生ということなんですが)の可能性をワタシはマイとかちに見据えておるのですよ。
人間、生きていれば必ず老人になります。それは街も同様。

更別村のメインストリートに面しておりましてね。角地。駐車場なんか必要ないわけですよ。どこかここかにクルマは停められますから。2階部分は宴会場ですとかお部屋ですとかになっておりまして、更別随一のキャパシティを誇るというお話し。
食品サンプル(最近はレプリカ・フードというらしい)を眺めると子ども頃のわくわくした記憶が蘇る気がいたしますね。もう、その時点から、ワタシのマインドは昭和に突入するわけですよ。
ほらねぇ、なんでもアリです。愉しいでしょ、素敵でしょ。勿論、最初から豚丼以外のものを食べる気なんかないんですけれど、「あ、冷やしラーメンも気分だよねぇ」なんて考えてしまいます。

店内もいいかんじでございましょ。注目すべきは中央やや左に見える洗面台でございましてね。顔を洗うのに使う方って、いらっしゃるんでしょうか。しかも上にTVがある。無計画、というか必要に迫られて色々やらざるを得なかった時代、それがまさに昭 和なんです。わがやさまにはそれが残っていますね、嬉しいことに。呑処あっけらかんさまのようですわぁ。


メニュー表は綺麗でアバンギャルドな部分は見られません。でも内容は20年以上前からほとんど変化はないんじゃないかな、と推測いたします。冷むぎっていうのが嬉しいです。でも、ちょっと高いな(笑)って。
さて、今回訪問の目的はなんといっても「スタイルが違う、もうひとつの豚丼」とはいかなるものか、を確認することにあったわけですが。その答えは意外にあっさりと出てしまいました。家庭で豚丼を作る方にとってはごく当たり前のことでしてね。

これ、豚丼用のロース肉でぇす。右側のはスライスされてないんじゃないかと思うんですけれど。かつては相当分厚いカットで供されていた、という情報もあるのですが、「ここ数年そんな変わってませんよ」という地元関係者のお話も。

ということで、フライパン焼きがスタイル違いの実態でございました。確かに観光ですとか出張でお見えになった方からすると、イメーヂ違いかも知れませんねぇ。でも、地元民にとっては当たり前で、見慣れた調理法。専門店であっても、フライパン調理を持ち味にしているところは少なくないですし。

「あのー、大盛にすると肉が厚くなるとかないんですか」「ありません。お肉の量が多くなりますけど」「じゃあ、大盛で」ということで100円増し。御覧なさいな、この一夜漬けの量。これだけで御飯一膳は食べられるでしょうね(笑)

お肉は量が多いものですから、堪能できます。厚みはややあつでしたね。用事を足しに行った先で「大盛いただいてきました」と申しましたら、「えー、あれ全部食べたんですか!?」と。ワタシ、少食に見えるのかしら。確かに普段はあまり食べないけれど。

タレのかかり具合はコンナ感じ。ご多分にもれず、甘め。ま、それが普通ですしね。御飯も軟らかかったです。でも、特に不満もありません。
お店に入ったばかりで調理に慣れていない女性従業員がいらっしゃいましてね。調理師兼経営者である女将さんに指導を受けながらオムライスを作る光景を光景を微笑ましく見つめながら、豚丼をおいしくいただきました。午後1時半を過ぎて、ワタシ以外にお客さまもいなくなったものですから、1階奥の座敷で従業員の皆さまも昼食とられてました。そんなところも、とてもアバウトでいい感じです。
まかないを召し上がっている最中に馴染みの客(まぁ、お客さまの大部分がそうなんでしょうが)がお見えになって、調理場に立ったのは女将さん。中華やきそば(あんかけ)を調理し始めたのですが豪 快でした。1メートル近い炎をあげてましたから。ただものではありませんね。
恐らく、更別村市街地を訪れる機会があれば、ワタシは再度わがやさまを訪れるでありましょう。そしてカウンターに座り、「中華やきそば大盛!」とオーダーするでしょう。あの火柱を見るために。
コメント(4件)
07-11 05:16
スタジオどらこ
更別、とっても懐かしいです、地元でしたから・・
まして「わがや」さん昔からありました
でも何十年も行っていなかったのですが
美味しそうな豚どんですね!!
今度更別に行った時は必ず食べてきますね
「わがや」さんを応援したくて
ブックマークさせてもらいました
07-11 08:17
端野 萬造
>スタジオどらこさま
ブックマーク恐縮です。ワタシの意図を量らずも汲み取っていただけたご様子。ワタシの記事は基本的にそのお店を応援するためのものですので。特に地方のお店の場合、地元の方に紹介される機会ってほんと少ないんですよね。ネット上に情報がないと存在自体が忘れられてしまう。
それとどらこさまのように、かつてその地域に在住されていた方が懐かしく眺められるように、と心掛けています。そこらへんもオココロに触るものがあったのでしょう。とても嬉しいです。
そんなワケで、ワタシの場合どなたかがマイとかちで取り上げたばかりであるとか、十分な量の記事がある場合、あえて取り上げません。それが「端萬記」の矜持。アクセス数をアゲるために題材を選ぶことはありません。あくまでもワタシが伝えたい、書き残しておく意味があると感じた時のみ記事がアガります。ほほほ、「あてつけ」の独り言でございました。
07-15 21:41
七誌です。 @plala.or.jp
萬造さま。今回の力作・・・大変美味しく頂きました。素晴らしい!!
文章もそうですがお店のご飯もお肉も味噌汁の具材も漬け物も全て大盛り。
なんか実家に帰ったときにお袋が元気の無い息子に元気出せ!と言わんばかりに作ってくれたお昼ご飯みたいな。
商売も大事ですがなんて言うんですかね・・・下品で頼もしいみたいな感じでお客さま第一みたいな。
家庭じゃなきゃ出てこないみたいなものをお店で出すんですから・・・それでいて一メートル近い火柱を上げる本格派・・・そのギャップに虜にさせられそうです。
それを画像と文章でしっかりと伝えることは難しいことですが、私にはホント、ど真ん中のストライクです。
ホント、素晴らしい。
私もいずれはお邪魔しなくてはならないお店の一つになりました。
07-16 07:40
端野 萬造
>七誌です。さま
ははは。相変わらず記事本文を上回るナイスなツッコミ恐縮です。読み取られる能力が圧倒的なんでしょうね。
ご推察の通り、家庭料理が原点なんでしょうね。プロの調理人がお店を開いたわけではない。いわゆる家庭の主婦が起業した「食堂」ですよ。それが更別の「座敷」になるまで成長したのですから、大したものだと思います。
どこの町や村にもこういった存在感のあるお店が必ずあるんでしょうね。そういったところを偶然訪れるというか嗅ぎつけることができた悦びというのは旅や出張の醍醐味といえますでしょう。
あちこち覗いてみたいですけれど、そう考えると十勝ってやっぱり広いなぁ。極めることなど無理ですね。だからこそ、色んな方にご紹介していただけたらな、と。見知った店を繰り返し見せられるよりも価値がありますもの。
食堂わがや
河西郡更別村字更別南1線91 ℡ 0155-52-2026
定休日 日曜日 年末年始 営業時間 11:00~22:00
参考記事:
いきづく昭和/呑処 あっけらかんはレトロぢゃ語れない
メインは懐かしき飾り棚にディスプレイされている豚丼の食品サンプル 画像。

食堂わがやさまにはホームページ があるのですけれど、よっぽどこの記事のほうが雰囲気つかんでいただけるかな、と。まぁ、それは「端萬記」の特徴ではあるのですけれど。それもこれも、ちゃんとカキコしなくちゃどうにもならないんですが。
もう先月のことなんですけれどね。ひょんなことから、更別村の中心部に用事ができてしまいまして。考えてみるとワタシ、更別村ってTIS(トカチ・インターナショナル・スピードウェイ)さまとさらべつカントリーパークさまとレストハウスかしわさまとどんぐり公園のパークゴルフ場くらいにしかご縁がなくて、市街地に足を踏み入れたことがなかったんです。
訪問予定は午後2時。その日、たまたまパンを買えていなかった(出勤途中で購入するのがワタシの流儀。だって、少ない昼休みは昼寝したいもの)ものですから、「なんだ、昼食を更別で楽しめばいいじゃん」と。早速仕事を放り投げて「更別 食堂」で検索。市街地でお店を探します。
で、どうやら豚丼が特徴的「らしい」わがやさまにたどり着いたわけですわ。同店のHPには
十勝地方の豚丼は、網焼・炭火焼と肉の焼き方に特色がありますが、「食堂わがや」の豚丼はチョット、スタイルが違います。豚丼行脚の方、是非ご賞味下さい。 この味も、もうひとつの豚丼だと考えて!
とあるのですよ。一体どんなのなんや。これは検証しなければ。

更別遊技場さま、だったんじゃないかと思うのですよ。表が妙に綺麗なのが逆に物哀しさを増しています。
なんせ初めての更別市街地でございますんで、全然イメーヂが掴めないわけなんですよ。マップを頼りにメインストリートらしきものに遭遇いたしまして、ね。「あー、突き当たり正面に神社があるんだなぁ」って。妙なところに感心いたしました。で、わがやさまを発見。「あ、ずいぶんいい場所にあるのね」

ホクレン系列のガソリンスタンドは狂ったようにセルフ化を進めておりますね。お陰で近場のフルサービススタンドの売上は向上しているらしい。ま、数年のことでしょうけれど。
それで、近くの公共駐車場なのかJAさらべつさまの駐車場にクルマを停めましてね。ついでに街中を眺めて、色々な想いにふけったワケでございますよ。帯広中心部ですら、「人が少ない、コンビニがない」とどこかの県の事情を知らない方に謗られてしまうのですけれど、更別村に限らず、十勝管内の町村はもっと酷いことになっているわけです。でも、そこで生き続けていかなければならない人は少なくない。それも事実。
北海道は高齢化の進展が日本国内でも、高いのですよね。十勝管内だって無縁ではない。年取るとどうしたって、活動は鈍くなる。外に出るのが億劫になり、コミュニケーションの機会が減るわけです。肉体的な衰えはどうしようもない。ですけど、ネットがあればその弊害が緩和されるのは間違いないでしょう。そこで、ネットコミュニケーションがもたらす地域再生(これは人間再生ということなんですが)の可能性をワタシはマイとかちに見据えておるのですよ。
人間、生きていれば必ず老人になります。それは街も同様。

更別村のメインストリートに面しておりましてね。角地。駐車場なんか必要ないわけですよ。どこかここかにクルマは停められますから。2階部分は宴会場ですとかお部屋ですとかになっておりまして、更別随一のキャパシティを誇るというお話し。
食品サンプル(最近はレプリカ・フードというらしい)を眺めると子ども頃のわくわくした記憶が蘇る気がいたしますね。もう、その時点から、ワタシのマインドは昭和に突入するわけですよ。




ほらねぇ、なんでもアリです。愉しいでしょ、素敵でしょ。勿論、最初から豚丼以外のものを食べる気なんかないんですけれど、「あ、冷やしラーメンも気分だよねぇ」なんて考えてしまいます。

店内もいいかんじでございましょ。注目すべきは中央やや左に見える洗面台でございましてね。顔を洗うのに使う方って、いらっしゃるんでしょうか。しかも上にTVがある。無計画、というか必要に迫られて色々やらざるを得なかった時代、それがまさに昭 和なんです。わがやさまにはそれが残っていますね、嬉しいことに。呑処あっけらかんさまのようですわぁ。


メニュー表は綺麗でアバンギャルドな部分は見られません。でも内容は20年以上前からほとんど変化はないんじゃないかな、と推測いたします。冷むぎっていうのが嬉しいです。でも、ちょっと高いな(笑)って。
さて、今回訪問の目的はなんといっても「スタイルが違う、もうひとつの豚丼」とはいかなるものか、を確認することにあったわけですが。その答えは意外にあっさりと出てしまいました。家庭で豚丼を作る方にとってはごく当たり前のことでしてね。

これ、豚丼用のロース肉でぇす。右側のはスライスされてないんじゃないかと思うんですけれど。かつては相当分厚いカットで供されていた、という情報もあるのですが、「ここ数年そんな変わってませんよ」という地元関係者のお話も。

ということで、フライパン焼きがスタイル違いの実態でございました。確かに観光ですとか出張でお見えになった方からすると、イメーヂ違いかも知れませんねぇ。でも、地元民にとっては当たり前で、見慣れた調理法。専門店であっても、フライパン調理を持ち味にしているところは少なくないですし。

「あのー、大盛にすると肉が厚くなるとかないんですか」「ありません。お肉の量が多くなりますけど」「じゃあ、大盛で」ということで100円増し。御覧なさいな、この一夜漬けの量。これだけで御飯一膳は食べられるでしょうね(笑)

お肉は量が多いものですから、堪能できます。厚みはややあつでしたね。用事を足しに行った先で「大盛いただいてきました」と申しましたら、「えー、あれ全部食べたんですか!?」と。ワタシ、少食に見えるのかしら。確かに普段はあまり食べないけれど。

タレのかかり具合はコンナ感じ。ご多分にもれず、甘め。ま、それが普通ですしね。御飯も軟らかかったです。でも、特に不満もありません。
お店に入ったばかりで調理に慣れていない女性従業員がいらっしゃいましてね。調理師兼経営者である女将さんに指導を受けながらオムライスを作る光景を光景を微笑ましく見つめながら、豚丼をおいしくいただきました。午後1時半を過ぎて、ワタシ以外にお客さまもいなくなったものですから、1階奥の座敷で従業員の皆さまも昼食とられてました。そんなところも、とてもアバウトでいい感じです。
まかないを召し上がっている最中に馴染みの客(まぁ、お客さまの大部分がそうなんでしょうが)がお見えになって、調理場に立ったのは女将さん。中華やきそば(あんかけ)を調理し始めたのですが豪 快でした。1メートル近い炎をあげてましたから。ただものではありませんね。
恐らく、更別村市街地を訪れる機会があれば、ワタシは再度わがやさまを訪れるでありましょう。そしてカウンターに座り、「中華やきそば大盛!」とオーダーするでしょう。あの火柱を見るために。
コメント(4件)
07-11 05:16
スタジオどらこ
更別、とっても懐かしいです、地元でしたから・・
まして「わがや」さん昔からありました
でも何十年も行っていなかったのですが
美味しそうな豚どんですね!!
今度更別に行った時は必ず食べてきますね
「わがや」さんを応援したくて
ブックマークさせてもらいました
07-11 08:17
端野 萬造
>スタジオどらこさま
ブックマーク恐縮です。ワタシの意図を量らずも汲み取っていただけたご様子。ワタシの記事は基本的にそのお店を応援するためのものですので。特に地方のお店の場合、地元の方に紹介される機会ってほんと少ないんですよね。ネット上に情報がないと存在自体が忘れられてしまう。
それとどらこさまのように、かつてその地域に在住されていた方が懐かしく眺められるように、と心掛けています。そこらへんもオココロに触るものがあったのでしょう。とても嬉しいです。
そんなワケで、ワタシの場合どなたかがマイとかちで取り上げたばかりであるとか、十分な量の記事がある場合、あえて取り上げません。それが「端萬記」の矜持。アクセス数をアゲるために題材を選ぶことはありません。あくまでもワタシが伝えたい、書き残しておく意味があると感じた時のみ記事がアガります。ほほほ、「あてつけ」の独り言でございました。
07-15 21:41
七誌です。 @plala.or.jp
萬造さま。今回の力作・・・大変美味しく頂きました。素晴らしい!!
文章もそうですがお店のご飯もお肉も味噌汁の具材も漬け物も全て大盛り。
なんか実家に帰ったときにお袋が元気の無い息子に元気出せ!と言わんばかりに作ってくれたお昼ご飯みたいな。
商売も大事ですがなんて言うんですかね・・・下品で頼もしいみたいな感じでお客さま第一みたいな。
家庭じゃなきゃ出てこないみたいなものをお店で出すんですから・・・それでいて一メートル近い火柱を上げる本格派・・・そのギャップに虜にさせられそうです。
それを画像と文章でしっかりと伝えることは難しいことですが、私にはホント、ど真ん中のストライクです。
ホント、素晴らしい。
私もいずれはお邪魔しなくてはならないお店の一つになりました。
07-16 07:40
端野 萬造
>七誌です。さま
ははは。相変わらず記事本文を上回るナイスなツッコミ恐縮です。読み取られる能力が圧倒的なんでしょうね。
ご推察の通り、家庭料理が原点なんでしょうね。プロの調理人がお店を開いたわけではない。いわゆる家庭の主婦が起業した「食堂」ですよ。それが更別の「座敷」になるまで成長したのですから、大したものだと思います。
どこの町や村にもこういった存在感のあるお店が必ずあるんでしょうね。そういったところを偶然訪れるというか嗅ぎつけることができた悦びというのは旅や出張の醍醐味といえますでしょう。
あちこち覗いてみたいですけれど、そう考えると十勝ってやっぱり広いなぁ。極めることなど無理ですね。だからこそ、色んな方にご紹介していただけたらな、と。見知った店を繰り返し見せられるよりも価値がありますもの。