ドゥミグラスソースに魅せられて/キッチンたまごとオランジュと

きむらまどか

2013年04月15日 05:13

2008-07-03 08:35:13

kitchen TAMAGO(キッチンたまご)
帯広市西5条南31丁目小川ビル ℡ 0155-24-6163
定休日 年中無休 定休日をなくしてしまいました 
営業時間 昼11:00~14:30 夜17:30~21:00

参考記事:
»ホスピタリティをオムライスで表現/キッチンたまごのこだわり

レストラン・エ・カフェオランジュ Restaurant et Cafe L'Orange

帯広市西3条南9丁目9-2大同生命ビル1階(帯広中央郵便局側)
℡ 0155-67-7878 定休日 水曜日
営業時間 カフェ  11:30~21:30 ラストオーダー 21:00
     ランチ  11:30~14:00 ラストオーダー 13:30
     ディナー 18:00~22:30 ラストオーダー 21:30
     クローズ 22:30


参考記事:
»業界ビッグバンに期待/オランジュの空間がフルに食材を活かす
»オランジュさまで初カフェランチ fromまんぞうのへりくつ

 メインはキッチンたまごさまのハードタイプオムレツを割ってみました画像。





 デミソースとよく言われる「デミグラス」ソースですけれど、あれ英語読みなんですよね。本来このソースの起源は欧州、特に仏国だと思うのですよ。語源は仏語で「demi-glace」。となれば、「ドミグラス」が本来ですし、よりネイティブに近い発音だとすれば。「ドゥミグラス」ソースと発音するのがよりスノッブで愉しいじゃないですか。

 といきなり「まんへり」調で始まってしまいましたけれど、このドゥミグラスソースってやつは、たとえハインツさまの缶入りであってもソコソコ美味しく味わえるのが大したものです。実際、最初の仕込からしっかり作りこんでいらっしゃるお店ってのはどの程度あるのかしら。

 以前キッチンたまごさまにお伺いしたときにですね、お試しメニューのなかにハンバーグデミライス(白いご飯かバターライスの二者択一)があったんですよ。それを試してみたくって、再訪したのが一週間後ですよ。

 なのに、もう既にそのメニューは消えてました。「オレって、きっぽいんですよ」と中村シェフ。いやそれはよく知っていたんだけどさぁ。だからこそ、オリジナルオムが次から次へと発想されるワケでして。

 というわけで、代わりに選んだというか選ばざるを得なかったのが、ハンバーグデミオム。まぁ、デミライスにオムレツが追加された、っていうようなものですから、なんの不満もございません。



キッチンたまごさまのハンバーグデミオム。特製ですんで、オープンタイプではありません。

 中村シェフの嬉しいところは、お客の喜ぶことを出来るだけかなえたい、という気持ちが常にある、ということでしてね。今回もそれを黙って準備してくださいました。それがほら、オープンじゃなくて、ノーマルタイプのプレーンオムレツなんです。

 ノーマルオムレツにナイフで切れ目を入れてバアって拡げるのやってみたい、って言ったの憶えていてくれたんですね。それでね、やってみたんですけれど。ほら、いつものように画像を撮るのに手間取ってしまいましてね。刻一刻と熱が回ってしまうのですよ。

 ですからナイフを入れて「うわ、素敵、感激」ってなワケにはまいりませんでした。くそぉ。次は画像撮影なんかしないで、黙って楽しもうと固く決意をした次第。



そんなワケでこのオムレツはワタシがむりやり開いてみました。味にはそれほど関係ないですけれど、ビジュアル的にはツマんないですものねぇ。切れ味鋭いナイフをうすぅくオムレツの表面を走らせるとバアっての見てみたいでしょ。



 なんとハンバーグは中村シェフの奥さまがお作りになるんですって。なんだか、家庭っぽいところも安心できてしまいますよね。もちろん、味は中村シェフ監修ですから、ご安心召されい。

 バターライスだけで味わい、ドゥミグラスソースをバターライスにかけて濃厚さを更に増して味わい、それにハンバーグの肉汁によって味わいに力強さを加え、さらにオムレツでまあるく仕上がるこの味のハーモニィですよ。ゆっくり堪能していただきたいものです。

 さて、当然ながら別の日です。まんへりで「行っちゃおうかなぁ」と予告通り、カフェランチに突入。その日はオムハヤシだってこと、ワカっていたわけですからね。勿論、「大盛、ってお願いできます?」と。「大丈夫です。100円増しになりますけれど、よろしいですか」って嬉しいお返事。

 もう、創作提出で疲れきったココロと躰をなんとかして癒したいという気持ちが強くてですね。そういった意味合もあって、オランジュさまを訪れました。もちろん、そば小川さまでもよろしかったのですけれど、オムハヤシが味わえる、ってのに魅かれてしまいましたね。




オランジュさまのオムハヤシ(大盛)。ワン・プレートにオムハヤシの他に4種類の副菜。お味のヴァリエーションは十分なほど。おまけに大盛ですんでね、ボリューム的にも満足満腹。

 席で独り、日経を読みながら時間を潰してましたらね、厨房から聞こえるのですよ、ものスゴイスピードで生玉子をかき混ぜている音が。かき混ぜすぎるとコシのないオムレツになってしまいますしね。その加減が腕の見せ所なわけで。

 さて、参りましたよオムハヤシが。説明するまでもないでしょうけれど、牛肉をドゥミグラスソースで煮込んだハッシュドビーフを白飯にかけたのがいわゆるハヤシライス。子どもの頃はくないカレーライスと思っておりましたけれど、全くの別物ですわね。

 それこそ1999年の頃、元祖ハヤシライスを東京日本橋にある丸善にまで食べに行ったことがございましてね。丸善といえば、ワタシには書籍と文具というイメージしかないわけですよ。「なぜに丸善でハヤシライス?しかも元祖ですと!?」

 その当時、ビル改装にともなって味わえなくなる、ということでそれなら、とお伺いした経緯にあるのですけれど2003年にはまだ現存していたようです。現在では、丸善カフェのいくつかで「元祖早矢仕ライス」が供されているようです。でも、あの頃は丸善ビル屋上、ゴルフ練習場の脇でひっそり営業していたカフェでのみ。



フレンチレストランの味わいをこんな気軽なスタイルで楽しめてしまう、というのは帯広という小都市ならではといえるかもしれません。できうれば、そういった機会を逃さずに活用していただきたいな、と。

 カフェ・オランジュさまでは毎日カレーライスとハヤシライスは供されておりますけれど、オムハヤシは日替ランチでわりと頻繁に出てきます。人気メニューなんでしょうね。



つけあわせの帆立貝のマリネ。これがまた美味でして。

 フレンチレストランとしての矜持だろうなぁ、と思うのは味付けが非常に繊細なんですよ。一口味わって、ぐわっとくるようなものではありません。それはインデアンカレーさまとは異なる部分。キッチンたまごさまとも違いますね。


本日のティーはセント・ジェームス。

 自分との対話が必要になるんですよ。そういった意味ではそば小川さまで蕎麦や天婦羅を味わう感覚と同様ですね、ワタシにとって。まぁ、そんなことに気を遣わずに召し上がっても満足されることは間違いないんですけれど。

 ドゥミグラスソースのオムレツをぐわっと旨く味わいたければ、キッチンたまごさまへ。繊細な美味しさを感じたければければオランジュさまへ。それがワタシにとっての遣い分けといえましょうか。普段のお昼はパン2個300円台で済ませていますけれど。

 さて、今日はますやパンさまにしましょうか、コルバさまにしましょうか。

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